2020年08月09日

【平和活動・「意識高いね」 引いた視線】

『モヤる若者』
被爆地・長崎で原爆のことを学び平和活動
核廃絶を訴える高校生や大学生がいる。
気になるのが、同年代から向けられる『意識』
核兵器廃絶を求める「高校生1万人署名活動」に取り組む
長崎東高2年の二階堂杏(あんず)さん(16)
6年前の春、長崎市の小学校に転校してきて、初めて平和学習の授業を受けた。
被爆者の「人が黒こげになった」という言葉がショックだった。
原爆のことを知らなかったことを恥じ、自分で被爆遺構を巡り、本を読んで勉強した。
被爆地だからこそ、多くの人が核兵器について問題意識を持っていると思っていた。
高校生が行動すると特別視され、進路目的とみられたり、敬遠されたりしてしまう――。
胸にもやもやが残った。「意識高いね」という視線。
自分の働きかけで興味を持つ人が出てくれれば、とめげずに活動を続けた。
ある日、長崎駅前で署名活動中、「推薦狙い?」と言った
友達が足を止めて署名し、「頑張ってね」と励ましてくれた。
友達の意識が変わった。「名前を書くだけでも立派な平和活動。
特別じゃないと感じてくれたのかも」。
高校生が署名を集め、国連機関に届ける1万人署名の活動に共鳴し、昨秋から加わった。
同年代に活動を紹介するなどして、
平和活動のハードルの高さを払拭(ふっしょく)したいと思っている。《朝日新聞記事より》
75年前の8月9日、11時2分長崎市の上空で炸裂した原子爆弾。    
長崎に落とされた原爆により、多くの人々が犠牲になった。
⦅黙とう⦆追悼  『長崎平和宣言』
私たちのまちに原子爆弾が襲いかかったあの日から、ちょうど75年。4分の3世紀がたった今も、
私たちは「核兵器のある世界」に暮らしています。
どうして私たち人間は、核兵器をいまだになくすことができないでいるのでしょうか。
人の命を無残に奪い、人間らしく死ぬことも許さず、放射能による苦しみを一生涯背負わせ続ける、
このむごい兵器を捨て去ることができないのでしょうか。
75年前の8月9日、原爆によって妻子を亡くし、その悲しみと平和への思いを
音楽を通じて伝え続けた作曲家・木野普見雄さんは、手記にこうつづっています。

私の胸深く刻みつけられたあの日の原子雲の赤黒い拡(ひろ)がりの下に
繰り展(ひろ)げられた惨劇、ベロベロに焼けただれた火達磨(ひだるま)の形相や、
炭素のように黒焦げとなり、丸太のようにゴロゴロと瓦礫(がれき)の中に転がっていた
数知れぬ屍体(したい)、髪はじりじりに焼け、うつろな瞳でさまよう女、そうした様々な幻影は、
毎年めぐりくる八月九日ともなれば生々しく脳裡(のうり)に蘇(よみがえ)ってくる。

被爆者は、この地獄のような体験を、二度とほかの誰にもさせてはならないと、
必死で原子雲の下で何があったのかを伝えてきました。
しかし、核兵器の本当の恐ろしさはまだ十分に世界に伝わってはいません。
もし核兵器が使われてしまうまで、人類がその脅威に気づかなかったとしたら、
取り返しのつかないことになってしまいます。
今年は、核拡散防止条約(NPT)の発効から50年の節目にあたります。
この条約は「核保有国をこれ以上増やさないこと」「核軍縮に誠実に努力すること」を約束した、
人類にとってとても大切な取り決めです。
しかしここ数年、中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄してしまうなど、
核保有国の間に核軍縮のための約束を反故(ほご)にする動きが強まっています。
それだけでなく、新しい高性能の核兵器や、使いやすい小型核兵器の開発と配備も進められています。
その結果、核兵器が使用される脅威が現実のものとなっているのです。
“残り100秒”。地球滅亡までの時間を示す「終末時計」が今年、これまでで
最短の時間を指していることが、こうした危機を象徴しています。
3年前に国連で採択された核兵器禁止条約は「核兵器をなくすべきだ」という人類の意思を
明確にした条約です。核保有国や核の傘の下にいる国々の中には、
この条約をつくるのはまだ早すぎるという声があります。そうではありません。
核軍縮があまりにも遅すぎるのです。
被爆から75年、国連創設から75年という節目を迎えた今こそ、核兵器廃絶は、
人類が自らに課した約束“国連総会決議第1号”であることを、私たちは思い出すべきです。
長崎を訪問されたローマ教皇は、二つの“鍵”となる言葉を述べられました。
一つは「核兵器から解放された平和な世界を実現するためには、すべての人の参加が必要です」
という言葉。
もう一つは「今、拡大しつつある相互不信の流れを壊さなくてはなりません」という言葉です。
世界の皆さんに呼びかけます。平和のために私たちが参加する方法は無数にあります。
高校生たちの書にも、平和への願いが表現されています。折り鶴を折るという小さな行為で、
平和への思いを伝えることもできます。
確信を持って、たゆむことなく、「平和の文化」を市民社会に根づかせていきましょう。
あなたが住む未来の地球に核兵器は必要ですか。核兵器のない世界へと続く道を共に切り開き、
そして一緒に歩んでいきましょう。
「相互不信」の流れを壊し、対話による「信頼」の構築をめざしてください。
今こそ「分断」ではなく「連帯」に向けた行動を選択してください。
来年開かれる予定のNPT再検討会議で、核超大国である米露の核兵器削減など、
実効性のある核軍縮の道筋を示すことを求めます。
「戦争をしない」という決意を込めた日本国憲法の平和の理念を永久に堅持してください。
原子爆弾で亡くなられた方々に心から追悼の意をささげ、
長崎は、広島、沖縄、そして戦争で多くの命を失った体験を持つまちや
平和を求めるすべての人々と連帯して、核兵器廃絶と恒久平和の実現に力を
尽くし続けることを、ここに宣言します。

2020(令和2)年8月9日   長崎市長 田上富久

 
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